矯正歯科治療って痛いと思っておられる方は多いと思います。しかし、すべての矯正歯科治療が痛いわけではありません。矯正歯科治療には、①あごの骨や歯列の成長を促すしたりする治療と、②個々の歯を動かす治療があります。
まず、このうち成長期に行う、①あごの骨や歯列の成長を促す矯正歯科治療はほぼ痛みがありません。主に、痛みがあると言われているのは、②個々の歯を動かす矯正歯科治療、すなわち、主にはマルチブラケット装置を使用して個々の歯を動かす治療の際に痛みがあります。
歯を動かす際に痛みがあるのは、歯と歯を支える骨の間に歯根膜という膜があり、この歯根膜に血管とともに神経が通じているため圧迫された神経に痛みが生じます。このようなメカニズムで痛みが生ずることから、使用するワイヤーの改良や動かし方の工夫によって、以前よりも痛みが少なく矯正歯科治療が可能となっています。
当院でマルチブラケット装着1周間までの痛みについてのアンケートをとった結果、この歯の痛みは多くは歯を動かし始めて1~3日間生ずるもので、それ以降はほぼ痛みがなく、食事の際に硬い食品などが少し噛みにくい程度、治療当初から痛みのない方もいらっしゃいました。特に、舌側の装置で治療を行っていらっしゃる患者様にこの傾向が顕著でした。歯の動き始めに痛みが出ますが、動く方向が一定になってくると痛みがなくなり、治療を進めて行っても痛みがないため、「本当に動いているの?」と聞かれる患者さんもいらっしゃいます。中には痛みがあった方が、歯が動いていることが実感できて良いとおっしゃる患者さんもいらっしゃるほどです。
当院のスタッフも皆さんと同様に歯並びに悩んでいました。よくあるご質問と回答を下記にまとめてご紹介します。