子どもの指吸いは歯並びに影響する?
みなさんこんにちは!
歯科衛生士の奥野です。今回のブログは当医院でも相談されることのある指しゃぶりについてお話したいと思います。
赤ちゃんのころの指しゃぶりはすごく可愛らしいですね!
ですが、お子さんが成長されるにつれ、可愛らしいなぁから歯並びが悪くなるのではないか…と心配される親御さんは多いと思いますし、本人も〈やめないとなぁ〉と思っていてもやめられないと悩んでいることも少なくありません。
そこで
1、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか
2、やめる時期
3、指しゃぶりと歯並びの関係
4、指しゃぶりをやめさせる方法の提案
についてまとめてみました。
1、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか
指しゃぶりをやめられない理由
①赤ちゃんの頃の吸啜反射の名残
②退屈している、眠い
③ストレスや不安を和らげたい
①赤ちゃんの頃の吸啜反射の名残
赤ちゃんには、生まれながらにして「吸啜反射」という本能があります。吸啜反射というのは、赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために必要な本能で、口の周りに触れたものを無意識に何でも吸いつく様子のことを言います。何も教えなくても、赤ちゃんが自らおっぱいを飲もうとするのは、この反射があるからです。
②退屈している、眠い
単純に眠かったりすると指しゃぶりをしてしまお子さんは多いようです。
退屈している時に指しゃぶりをしてしまうお子さんは手を使う遊びを意識してみたり、外で体を動かすために公園に行ったりする事もおすすめです。相手をする親御さんは大変ですが、出来るだけ指に気を向けさせない習慣を作ってあげることでのちのちの為になるかもしれません。
③ストレスや不安を和らげたい
環境の変化や、友達、親子関係など様々なことで、子どももストレスや不安を感じることがあります。その、ストレスや不安から落ち着きたいという衝動から指しゃぶりをして解決していることがあります。
2、指しゃぶりをやめる時期~個人差はあります
・2歳3歳の指しゃぶりは心配ありません
2・3歳頃までの指しゃぶりには、あまり神経質になる必要はありません。言葉が発達して自分の欲求が伝えられるようになったり、活発に遊ぶようになったりすると、指しゃぶりの頻度は自然と減ることが多いです。
3歳頃までは指しゃぶりをやめさせることよりも、子どもとスキンシップを取りながら楽しく遊ぶ時間を作ることが大事です
・4歳5歳6歳以降の指しゃぶりの影響
4・5・6歳以降に指しゃぶりをしていると、歯並びやかみ合わせに影響することがあります。そのために、そろそろ指しゃぶりをやめさせる時期でしょう。
3、指しゃぶりと歯並びの関係
指しゃぶりをしている時、指を口の中に入れチューチューと吸うことで口腔内の圧が高まります。長期間にわたると歯並びが下記のような影響を及ぼします。
開咬
指をくわえることで、奥歯は噛んでいるが前歯だけ噛み合わない状態
出っ歯(上顎前突)
指をくわえることで、前歯が前突してしまいます
4、指しゃぶりをやめさせる方法の提案
・遊びに集中させる
子どもは手持無沙汰になると指しゃぶりをします。別の楽しい事、興味があることで意識を逸らしてみて下さい。昨日よりも今日が少し指しゃぶりの時間が短くなればそれはすごい事です。
・スキンシップを多くとる
ストレスや不安が原因で指しゃぶりをしている可能性があります。無理にやめさせるのではなく、子どもの不安な気持ちを解決できるように時間をかけて接してみてあげてください
・指しゃぶりのデメリットを教える
「手についたばい菌がお腹の中に入って病気になる」
「歯並びやかみ合わせが悪くなり、ご飯が上手に食べられない」
「手や指が傷つき、さらにばい菌が入ると痛い思いをする」
など、言葉を理解できるようになった年齢のお子さんに有効的な方法です。
・絆創膏やテーピングを活用してみる
絆創膏やテーピングが貼られた指が口の中に入ってくると違和感が生じます。これであっさり指しゃぶりを卒業できたというお子さんもおられます
・指しゃぶり防止アイテムなどを使ってみる
今、市販でも口にいれても大丈夫な成分でできたクリームやマニキュアが売られています。そういうアイテムを活用してみてもいいかもですね!
指吸いに関する絵本もあります。
指しゃぶりは習慣なのでそれを辞めさせるのはなかなか難しいです。
4歳以降の場合は歯並びへの影響が懸念されますが、あまり指しゃぶりを厳しく禁止すると、かえって逆効果になることもあります。人間には誰でも癖があるように、子どもにも指しゃぶりの癖があるだけです。指しゃぶりのやめさせ方を参考に、指しゃぶりを卒業できるように温かく見守ってあげてくださいね。