矯正治療中に生じる歯と歯の間に出来るすき間の正体とは…?
矯正治療中に生じる歯と歯の間出来る隙間の正体は…?
こんにちは、歯科衛生士の玉井です!
矯正治療がある程度進み、歯並びも整ってきたと思っていたとき、
「あれ?歯の根元の方に隙間が空いている…」と思ったことはありませんか?
それはブラックトライアングルというものかもしれません。
ブラックトライアングルとは?
歯間乳頭という歯と歯の間の歯茎が下がることで出来る黒い三角形の隙間のことです。
もしかするともうすでにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、対応によっては改善がみられることもあります!
そこで今回はそのブラックトライアングルの原因や対策などについてお話したいと思います
矯正治療中に出来る場合の原因は?
・デコボコの歯並び(叢生)だった、デコボコがかなりきつかった場合
歯がデコボコに並んでいたため、その間の歯茎も重なっており、すき間が見えない、あるいは目立たない状態だったものが、歯列矯正で歯を正しい位置に並べると、治療前にはわからなかった根元の隙間が目立ってしまうということがあります。
特に下の前歯は、▽に近い形をしているのでブラックトライアングルが起きやすく、目立ちやすいと言われています。
・前歯を抜歯した場合
並べる歯が少なくなるため、すき間が出来やすくブラックトライアングルが目立ちやすいことも
・治療時の歯軸の変化が大きかった場合
前歯は先端ほど幅が広くなっているので歯の軸をまっすぐに揃える事でブラックトライアングルが目立つことがあります
矯正治療中の方は、成人の方は特にご自身の歯並びに関心の高い方が多いと思います。
そのため、「この隙間(ブラックトライアングル)はこれ以上閉じないのですか?」といった質問も良くお受けします。
実際、ブラックトライアングルは隣の歯同士は接触しているので、もう隙間を閉じることが出来ません。しかし、緩和することはできます。
ブラックトライアングル軽減のために当院で行っていること
IPRと言って、歯と歯の間にやすりのような器具を使って、歯の表面を少しずつ削ることです。
歯と歯が点接触していたところをIPRで少し削って面接触にしてあげることでブラックトライアングルを軽減させています。但し、削れる量にも限度があり、完全にブラックトライアングルをなくすというのは難しい部分もあります。
矯正治療以外にも原因が…
1,歯周病
歯と歯茎の境目に歯垢が残ったままブラッシングが出来ていない状態が続くと、歯垢中の細菌によって歯茎が腫れたり赤くなったりする歯肉炎という状態になります。ここから進行が進み、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまうことで、その上にある歯茎も一緒に下がってしまい、ブラックトライアングルが出来てしまいます。
2、加齢
加齢により、個人差はありますが、歯を支えている歯槽骨という骨や歯茎の細胞の活性が低下し、歯槽骨の高さが低くなっていきます。それに伴い、歯間乳頭(歯と歯の間の歯茎)が下がることで、ブラックトライアングルが出来てしまうのです。
3,ブラッシング
ブラッシングの際に力が入りすぎていたり、歯ブラシを硬いものを使っていることでもしかすると歯茎を傷つけてしまっているかもしれません。それにより、歯茎が下がってしまいブラックトライアングルとなってしまうことも
ブラックトライアングルが出来た時にしていただきたいこと
まずはご自身のブラッシングを見つめ直してみましょう!
ブラックトライアングルが出来てしまうと、審美的な理由から気にされる方も多いと思いますが、矯正治療でブラックトライアングルが出来てしまうことは、ある程度避けられないのも事実です。
矯正治療で出来るブラックトライアングルは、年齢が上がるほど起こりやすいですが、日々のブラッシングの状況やお口の中の環境(歯周病の有無など)によっては、20代でもできやすくなります。
そのため、矯正治療中の歯周病予防が大切になってきます。歯茎が下がってしまうことでブラックトライアングルはどんどん目立つようになってしまいます。
それを防ぐためには、歯茎の近くの汚れをしっかりと落としてあげることです!
ふつうの歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具を使うことや、矯正治療中の方は装置の付いた歯茎側には必ずワンタフトブラシといった毛先の小さな歯ブラシを使っていただくことが大切です。
↓矯正歯科治療中のフロスの使い方 も併せてご覧ください
https://www.horii-kyousei.com/blog/adult/post_3643/
ほりい矯正歯科クリニックでは、染め出しをして歯垢の状態をチェックした後、歯科衛生士が患者様一人ひとりにあったブラッシング方法を提案させていただいています!
皆様と同じように矯正治療を経験したスタッフもたくさんおりますので、治療のことやブラッシングなど疑問に思われることがあれば、いつでもご相談ください♪