セファロ(セファログラム)とは?
「セファロ(セファログラム)」とは?
こんにちは、歯科医師の嶋本です。
矯正治療は治療前に精密検査、診断をしてから始まります。
歯科医院では肉眼で確認できない部分を検査するためにレントゲンを撮影します。
その中でも横顔のレントゲン写真である「セファログラム(頭部エックス線規格写真)」は「セファロ」と呼ばれ、矯正治療の特徴的なレントゲンともいえます。
矯正歯科で検索した際によく表示されるレントゲン画像ですが、どのような意味があるのでしょうか?
一般歯科治療での登場機会はありませんが、この「セファロ」を用いて行う「セファロ分析」は治療方針を立てる際に重要なポイントです。
セファロ分析?
セファロは1930年代に海外で頭部の成長発育の研究に導入され、その後1940年代に矯正治療の分析に使用されるようになりました。セファロは全世界共通の規格であるため、現在までの膨大なデータが蓄積されており「性別」「年齢」「人種」等に合わせて平均値があります。日本では1950年代に日本人の基準値が設定されて以来、現在まで用いられています。
セファロ分析では顎の大きさ・位置・形、前歯の傾き、奥歯の位置関係などを基準値と比べて評価します。
例えば、上あごの前歯が突出している患者さんの場合には3つのパターンがあります。
- 上あごが大きいため、出っ歯になっている
- 下あごが小さいため、出っ歯になっている
- あごの骨は問題ないが、前歯が傾斜して出っ歯になっている
これに加えて、骨の原因と歯の原因が混合した場合があります。原因を把握することで適切な治療を行う事が出来ます。
また子供の場合は身長が伸びていくように、あごの骨も大きくなっていきますが、すべての方が同じように成長をするわけではありません。セファロを分析することで今後どのように成長していくかも予測することが可能です。
ポリゴン表?
セファロ分析で得られた情報をまとめたものがポリゴン表で、上のグラフがその一部です。
歯並びや骨格が基準値と比べてどの程度の差があるのかグラフで表されており、ポリゴン表にすることでセファロ分析の結果が一目で確認できます。
まとめ
口腔内診査だけでもある程度は判断出来ることもありますが、レントゲンで原因をしっかりと確認出来ないと、誤った治療方針を提示することになり、治療がうまく進まない可能性があります。
初診相談時には大まかな治療内容をお話しすることは出来ますが、実際に矯正治療を行う際には皆様に検査を受けて頂いたうえで一人一人に合わせた治療方針の説明を行っています。